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2020.10.23

X-GIRL MEETS IBUKI SAKAI FOR NIKE AIR FORCE 1 CRATER ~酒井いぶきと等身大のサスティナブル~



X-girl〉とはこれまでに何度も協業を重ねてきた、盟友的な存在でもあるミレニアル世代を代表するクリエイターの酒井いぶき。今回も〈NIKE〉からリリースされたサスティナブルをテーマにした新作スニーカーを着用したファッションビジュアルの撮影を敢行。それに伴い、彼女自身が今思うサスティナブルなマインドについて迫った。

 

―まずはじめに、今回新たに発売された〈NIKEの「エアフォース1は〈X-girl〉でのルック撮影でも実際に着用いただきましたが、履き心地やデザインの印象を教えてください。

履き心地は思っていた以上に軽快で、デザインもとてもかわいいですね。元々学生時代に陸上部で長距離走をやっていたんですけど、ランニング視点でも走りやすいスニーカーだなと思いましたし、これで部活やりたかったです(笑)。

 



―またその際に着用頂いた〈X-girl〉の新作アイテムとのコーディネイトはいかがでしたか?

ストリートなファッションにも馴染んでいて、さらに〈X-girl〉はスポーティなアイテムも多いと思うので、素敵な組み合わせでした。実際のルック写真では足元に寄ったカットも何枚かあるんですけど、ソックスとの組み合わせを考えるのも楽しいスニーカーだなと改めて思いました。

 

―普段スニーカーを履く際に意識していることはありますか?

私が持っているスニーカーやブーツは、全部かなり個性的なんですよね。他にないような、誰ともかぶることのないような一足をついつい選んでしまいます。



―さらに過去にコラボレーションや様々な取り組みで縁のある〈X-girl〉のブランドとしての印象もお聞きできますか?

子どもの頃に読んだ、望月峯太郎先生の漫画『ドラゴンヘッド』で、初めて〈X-girl〉を認識した記憶があります。漫画にも登場しちゃうようなアイコニックなロゴだったり、女の子だけでなく、若い世代から大人まで、カルチャーやファッションが好きな人にとっての憧れとなるようなブランドのひとつなんだなと感じます。そんな〈X-girl〉とまさかコラボをすることになるなんて、子どもの頃の私に教えてあげたいですね。これからも一緒に楽しい事をしていきたいです。

 

―また本作のスニーカーは、リサイクル素材を20%以上含んだクレーターフォームをソールに採用しており、サスティナブルをテーマにしたスニーカーという側面でも大きな注目を集めていますが、酒井さん自身にとってサスティナブルとはどんなことを意味するのでしょうか?

実はこの言葉を知ったのはつい最近なのですが、エコや省エネ、リサイクルといった言葉や考え方は子どもの頃から自然と意識して生きている気がします。それは家庭の環境だったのかもしれませんが、使ってない部屋の電気は消す、あるいはお水は流しっぱなしにしない、とかそういった生活における基本的な部分は、完全に自分のライフスタイルに根付いていますね。

この辺りの部分に関しては、節電だとかの資源の節制の話かもしれませんが、私が思うに、エコという言葉に新しさや古さの価値観はあるべきではないと思っているのと、無意識のうちに馴染んでいることでもあるので、サスティナブルという言葉に出会ったとき、難しい話ではないなとすぐに実感できたんです。それと同時に、地球に生きているなら。みんなが一緒に気にしていくべき問題だなとも思いましたね。



―パーソナルな部分とは別にご自身の多彩な表現活動の中でも、サスティナブルを意識されることはございますか?

これは話すとかなり長くなりそうです(笑)。

というのも例えば、作品製作で言えば普段から可能な限り再利用された資源で作品は作ります。それは自分が、オファーを頂いて作る新しいグッズだったり、アーティスト活動の際にどうしても作ってみたいもの、あるいはそれ以外でできる事も、身の回りの物を使ったり、廃材や友人の不用品などから着想を得たりしています。

高校生のときにタイダイ染にハマった時期があったのですが、その時も家にあったシミになっているシャツや、お友達に呼びかけてみんなのいらない白いTシャツをもらって作ったりしていました。今もその頃と同じような取り組みは変わらず行っています。

あとは企業やブランドとコラボをする際に、よくTシャツをリリースさせてもらう機会があるのですが、個人でTシャツを作って販売よりもコラボの方を手に取ってもらいたい思いが強く、自分で何か作る時にはシルクスクリーン印刷を用いて、着なくなった古着にプリントをして販売したり。新しい材料を買わないといけない事ももちろんあるけど、ほんとに買うべきか、自分の身の回りで再利用できるものがないか、みたいな事はよく考えますね。

作るだけ作って売れなくて在庫を抱える、だと資源を消費してると意識しちゃうというか。だからこそ何かを生み出す時は柔軟な工夫が必要だし、その製作過程でも新しい発見があったりするんです。



―なるほど。ちなみに酒井さんが自身のクリエイションにおいて大切にしていることはなんでしょうか?

一言で言うと自分のコアな部分です。そこに心があるかどうか。例えば仕事でも、やりたくないのにやるって失礼ですよね。その場ではニコニコしていても、本当はみんなに嘘をついているみたいで悲しい気持ちになっちゃうんです。

だからこそ、自分が本当に作りたいかどうかは大切にしたいし、そう言う気持ちの時は必ず心がこもっているんです。トレンドや流行に乗ってしまっているだけだお、それはきっと心がないというか、仕事としても良くないなと。

そうした核となる部分を大事にしていれば、原寸の熱量のままでも披露できる事もあると思うんですよね。あとは私自身の創作スタイルとしては、やるときが来たら一気に! それまでは沈黙。が基本なんです。かなり極端ですが、そうした姿勢は素直に従うようにしています。極端ですけどね(笑)。

 

―またユース世代などの若年層にとっては、なかなかハードルの高いテーマとも言えるサスティナブル。酒井さんが思う、若い人たちの入り口となるサスティナブルな取り組み方があるとすれば、どんなことでしょうか?

今は選択肢がそもそも多すぎると思うので、多分なんでもいくらでもあると無自覚に思っている人に対しては、年齢関係なく伝えるのに時間がかかるような気もしてしまいます。私の周りでもそうした反応を耳にすることが多いんですよね。

なので個人的には、どの年代でも意識するべきことですし、若年層に向けたアプローチだけじゃなく、全体を個として接しないと難しいのかなと。本来はサスティナブルを考える上で、ハードルの高いものだとか少し煙たがったりするものではないはずで、ただ当たり前が続きすぎて麻痺している部分は人それぞれ何かしらあると思うので、人ぞれぞれの尺度で意識していきたいですよね。そしてその先にサスティナブルを尊重した選択ができたのなら、豊かな感性にも繋がるような気さえします。

 

―世代のお話が出ましたが、合わせて海外のクリエイターとの関係性も深い酒井さんは、グローバルの視点でそうした意見交換もされたりするのでしょうか?

意見交換や連絡の取り合いはよくしますね。私の友だちでもある海外のクリエイターたちは、サスティナブルに対する意識が高い子たちが比較的多いのですが、そもそもそれ以上にいろんな事に興味や関心をしっかり持っているので、色々教えてくれるし、直接会える時間は私にとってとても貴重なんですよね。

特にニューヨークへ行った時は面白かったです。仲良しのアーティストでもあるマノンもニューヨークに住んでいますが、声を上げる事を臆さない子たちが多く、すごく頼もしいです。日本の友だちも含めてですが、自分もこうあるべきと思わせてくれる友だちばかりです。



―現在、同世代で気になる存在や影響を受ける人はいたりしますか?

親友のmyokaharaは昔から親交のある刺激的な友人の一人ですね。彼女の絵を観ると、すごくエモーショナルな気持ちになるんです。会えてない期間が長いですが、頻繁に連絡を取って、お互いがハマっている事や思っている事、その時に浮かんだアイデアを色々シェアし合っています。最近はヨガを始めたようです。彼女も含め私の周りの親密な関係の友だちも、お互いに影響を受け合って、一緒に成長しているように感じます。

 

―良い関係性ですね。あとはモデル活動やテプラを使用したアート作品の創造以外に、最近ハマっていることはありますか?

これは子どもの頃からですが、ゲームはずっとやっています。今は「ファイナルファンタジー9」をメインに、「サイレントヒル2」をこの前クリアしました! 他にも漫画もアニメ、洋画・邦画全般で映画を観ることも大好きです。ハマっている事って実は昔からずっと同じなんですよね(笑)。

あとは創作活動に近い趣味で言えば、ビーズのネックレスを作るのにハマったりもしました。あと紅茶も子どもの頃から大好きで、最近もっと凝っている気がします。なんだかんだ家にいる時間が大好きなので、インドアで楽しめる事が好きなんでしょうね(笑)。

 

―最後に酒井さんの今後の展望についても教えてください。

今は本を作っています。実は本の打ち合わせよりも前に〈NIKE〉の「スペースヒッピー」を見せていただいて、とても感銘を受けたんです。その時に自分もせっかく作りたい物を作らせてもらうなら、明確な目的と理由を持たせようと決心し、再生紙を使う事やリサイクルの布を使うアイデアが生まれました。

年内はそのプロジェクトで忙しくなりそうですが、来年になったらまたニュートラルな気持ちで何をしたいか考えてみたいですね。明日にでも来年したい事が浮かぶかもしれませんが、焦らずにマイペースでこれからも発信していこうと思っています。

 



NIKE AIR FORCE 1 CRATER

PRICE:¥12,000+TAX
COLOR:WHITE
SIZE:24cm・24.5cm・25㎝

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